ただいま。5日ぶりの家。
昨日、信越五岳トレイルランニングレースから帰ってきました。
今日は月1ランナーコラムの入稿締切日の前日。
“入稿締切日が近づきました” のアナウンスが4日前に来てたけど、まだ入稿していない。
シルバーウィークは信越に行くので、事前に「かなえの苗④」を書き上げておこうと思っていました。
この月1ランナーコラムのお話をいただいた時に、毎月1回、12ヶ月連載ということで、ざっくりどんな感じにしようかなと思った時、すぐに浮かんだ話題は半分くらい。残りは現在のことや、これからのことを書いていけたらなと思っていました。
今回は、すぐに浮かんだ話題の一つについて書いていました。
が、やっぱり信越のほやほや感をそのまま届けようと、ばばばぁぁぁーーっと勢いで書いちゃいました。間に合ってよかった。
では、どうぞ。
私、未経験です
今回、国内屈指の人気トレイルランニング大会、信越五岳トレイルランニングレースに参加してきました。
110キロ?100マイル?
いえ、ペーサーです。
100マイルのペーサーです。
▼かなえちゃんスペック
・100マイルの完走:未経験
・100キロ以上のトレラン大会完走:2回のみ
・ペーサー:未経験
・ペーサー付きで出走:未経験
こんなスペックの私にペーサーを依頼してきたのが、山口県のトレラン女子、まなみちゃん。
彼女との出会いは、4年前。
トレランの大会出走中、滝が見えたので「わあ~気持ちいい~!」と声に出して走っていたところ、声をかけてきたのが彼女でした。
フィニッシュ後にも話をしたら、同じ山口県出身で、年齢もかなり若い!その時、初めて山口県のトレラン女子とつながりました。
そんな彼女から今回ペーサーを頼まれた時、「こんな私で本当にいいの?」と、かなり確認しました。
彼女の方がレース経験も多いし、走力もある。自分に彼女のペーサーが務まるのか、正直かなり悩みましたが、「一緒に走ってくれるだけでいいです!」と真っすぐ言われたので、引き受けることにしました。
実は私は前職で大会の運営スタッフとして、ペーサーと選手や、選手をサポートする人たちをたくさん見てきました。
疲れてかわす言葉は少なくても、選手の今の状態をくみ取って、一緒にフィニッシュを目指して進んでいく。それが全く知らない人でも、グッとくることがあります。
そんなペーサーを引き受けたからには、選手の目標を達成するために、しっかり準備していこうと思いました。
※前職については、別で話せる機会があれば話そうと思います。(需要あれば)
ペーサーをすると決めてから当日まで、お互い住まいも離れているため、一緒に山で練習することはありませんでした。信越のコースはもちろん走ったこともないし、そこら辺の土地勘も全くない。
YouTubeや過去の投稿記事を見て、ざっくりとコースのイメージを頭に入れていきました。タイムチャートを共有してもらうと、彼女の意気込みも感じました。
そして当日、スタート前。
本降りの雨。
予報では、この後さらに強くなる予定。
打ち上がる花火と多くの歓声に包まれ、100マイルの選手たちの長旅が始まりました。

信じて待つだけ
ここから先の情報は、チェックポイントの通過時刻のみ。
ずっと気になるけど、翌日に備えて早めに就寝。
翌日、チェックポイントの通過情報を確認すると、Bプランより遅れて進んでいる状況でした。
序盤で予定より2時間近く時間がかかっている区間があり、何かトラブルがあったのかと思ったけど、そのあとの区間からは巻き返している。タイムからして走って進んでいることが分かったので、2時間遅れた区間はコース状態の悪化によるもので、彼女自身は大丈夫なんだと。
その後も全体的に予定より遅れてはいるものの、区間タイムを見ると走って進んでいるのが分かったので、絶対来る!と信じて待ちました。
選手との合流地点、黒姫エイドへ移動。
ペーサー待機場所で彼女を待っている間、次々に到着してくる100マイルの選手の状態を見て、ここまでの道のりがどれだけ過酷だったのかが伝わってきました。ここに来る前に選手がDNFになったと話しているペーサーも。
そんな中、頑張って走っているまなみちゃんを思うと、すでに涙が出てきそうになり、何度もぐっとこらえる。
どんな表情で来るだろう、、
エイド食やドリンクの種類を確認し、彼女のドロップバッグを受け取って待っていると、だんだん緊張してきました。
そしてついに、まなみちゃん到着。
全身泥だらけでエイドインした彼女は、「すみません、お待たせしました」と。
もう顔を見れただけで嬉しい。
また涙が込み上げてくるのをこらえて、「いやいや、よく来たよ。よくここまで頑張った!」
そして彼女は私に、
「元気です!」と言ってきました。
正直、びっくりしました。
彼女の気持ちは全然落ちてなくて、むしろ、「29時間切りしたいです!」とタイムも諦めてない。
完走できたら十分だと思っていた自分が恥ずかしくなりました。
よし、いこう!!
涙腺が緩んでいた私も気を引き締めて、まなみちゃんと黒姫エイドを出発しました。
ふたりの時間
まだしっかり走れている状態だったので、走れる区間は彼女を前に。走りながら、今までの大変だった道のりについて話すまなみちゃん。
この過酷さを早く誰かに話したかったんだろうなと思い、全部聞いてあげました。本当に無事で良かった。
林道では私が前を走り、引っ張ることに。
熊鈴の音で彼女との距離を感じながら、一定の距離を保って進む。
過酷なコースを100キロ以上走ってきてるのに、
「神ペーサー!」
「ひとりだったら絶対もうここ歩いてます。」
とか、嬉しいことまで言ってくれるじゃないか。
そして、時折彼女が
「楽しい!」
と言いながら走っているのが、何より嬉しかったな。
笹ヶ峰では放牧の牛がいて、有刺鉄線の横を走りながら、
「ここボルケーノ!?笑」(阿蘇ボルケーノトレイル)
「前半は第1回のボルケーノくらいやばかった!笑」
「まじか!それやば!」
とか話しながら進んだね。

120キロ以降は、さすがに足に痛みも出てきて、口にも漏らすように。
下りは少しペースを落として、登りはまだいけるようだったので、引っ張っていくことに。
この日の夜は晴れて、月や星がきれいでした。
最後のエイドを出て、フィニッシュ地点までの長い林道。目標タイムは過ぎているけど、痛い、きついと漏らしながらも走ってついてきている。
そして160km地点の看板を通過。
終わるね。
すると、まなみちゃんがまた力強い走りになりました。最後は二人並んで手をつないでフィニッシュ。
本当にお疲れ様。
自分が完走するより何倍も嬉しかった。
彼女の感情を受け止めながら、最後までなるべく目標に近づけるように、一緒に進んだ64キロ。
ペーサーをさせてもらって、感謝しかない。
とてもいい経験になりました。
いつか私も100マイルのレースを走る時、信頼できる人にペーサーをお願いしようと思います。

